口から入った酵素では絶対痩せません!

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パーソナルトレーナー・ヘルスコーチをしている安藤ひろゆき(@PThiroando)です。

酵素ドリンクを飲んで、ファスティングをするのが一般的になってきていますね。

その際に話題になるのが『酵素』

なんとなく、酵素を摂っていると身体に良さそうな気がしますよね?

実際に酵素を多く含む食品を摂ると、いいのでしょうか?

今日はそんな酵素のお話させていただきたいと思います。

目次

酵素が良いと言われるのはどうして?

酵素が良いと言われている理由の多くは、『酵素栄養学』が元になっています。

その考え方の中に『潜在酵素』『消化酵素』『代謝酵素』『食物酵素』というキーワードが出てきます。

「潜在酵素」とは、

体内で消化のほか、様々な生体の活動に用いられる酵素を総合的にとらえた概念である。

この潜在酵素は、生物の一生で使われる総量に上限があり、これが消耗されすぎると病気の原因となり、寿命は縮むと考えられる。

というものです。

確かに人間は酵素がなければ、何もできないと言ってもいいです。

人間が物質を消化する段階から吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与しているんですから。

筋肉を動かすのにも酵素が関わっています。

人間の身体は、酵素なしではほとんど何もできないと言っても過言ではないのです。

その原料となるのが『潜在酵素』というのが、『酵素栄養学』の考え方です。

その『潜在酵素』を『消化酵素』と『代謝酵素』という2つ酵素に分けて使っていると考えられています。

イメージはこんな感じです。

ちなみに『潜在酵素』という言葉は、酵素栄養学に登場する言葉で、栄養学の言葉ではありません。(理由は後ほど)

『食物酵素』は、その3つの酵素とは違い、食品に含まれる酵素の総称です。

食物酵素の多い食事をすると、食物酵素が食品の消化を助け、人体自身の消化酵素の分泌が少なくてすむために、潜在酵素の消費を抑えることができると考えられているのです。

さらに、酵素には「生命エネルギー」が含まれているので、酵素の多い食物を取ることは病気を予防し、寿命を延ばすエネルギーの補充の効果があると提唱しています。

これが『酵素栄養学』の考え方です。

この考え方に沿って、酵素が身体に良いと言っている場合が多いのです。

酵素ってそもそも何なの?

酵素栄養学の考え方がわかったところで、酵素についてお話したいと思います。

酵素は栄養素ではなく、触媒です。

酵素を栄養素のように思われている読者さんもいらっしゃるかもしれませんが、酵素は栄養素ではありません。

先ほどもお話したように、酵素は人間が物質を消化する段階から吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与しているもので、それらの化学反応を仲介するものです。

それを専門用語では、『触媒』といいます。

この触媒こそが『酵素』の役割なのです。
そのため、栄養学では名前が出てこないのです。

酵素はどんなもので、出来ているの?

酵素がなにで出来ているかを聞くと、意外と知らない方が多いのですが、酵素はタンパク質で出来ています!

つまり酵素の元は、タンパク質、アミノ酸で出来ているのです。

1つの酵素に役割は1つしかない!

人間にとって大切な酵素ですが、実は、1つの酵素には基本的に役割は1つしかありません。

なんとなくたくさんの機能があるようにイメージをされるかも知れませんが、1つの酵素に役割は1つです。(一部例外あり)

例えば、唾液の中に含まれるアミラーゼという消化酵素は、炭水化物を麦芽糖に変えるのが役割です。

つまり身体の中での反応の数だけ酵素が基本的にはあると考えていいのです。

酵素が身体に良いという根拠を検証!

今回は、『酵素栄養学』の考え方を基本に検証していきたいと思います。

潜在酵素は、一生で使われる総量に上限がある。

これは正確には正しくないと考えます。

というのも、先ほどもお話したように酵素はタンパク質で出来ていて、アミノ酸から作られます。

一生に人が食べるタンパク質量って、個人差はあれど、ある程度計算できると思うんです。

それを元に酵素がこの位出来ると計算が出来ると考えれば、酵素に上限があるという事が言えるかなと思います。

でも、これって1日のタンパク質摂取量が変われば、変わってしまう可能性がありますよね?

人間は生まれながらに決まった量の酵素しか持っていないというより、一生で食べるタンパク質量がある程度計算できるので、酵素に上限があると考えられるというのが、正しいのではないかと思います。

潜在酵素は本当に存在するのか?

潜在酵素と聞くと特定の場所で作られているようなイメージがしますが、酵素は摂取したアミノ酸から必要な時に必要な分が細胞で作られます。

先ほどもお話したように人間は生命活動を行っていく上で必要な様々な化学反応を、酵素によって行っています。

もう少し細かく言うと細胞は、自分が生命活動を行うための酵素を自分自身で合成しています。

つまり、身体のほとんど全ての細胞が、必要に応じて、その細胞が必要とする酵素を自分で合成するのです。

特定の器官だけで合成されて全身に分配されるような事はありません。

そう考えると潜在酵素って本当にあるんでしょうか?

食物酵素で消化酵素が助かる?

潜在酵素の存在が微妙な感じですが、続けたいと思います。

食物酵素の多い食事をすると、食物酵素が食品の消化を助け、人体自身の消化酵素の分泌が少なくてすむために、潜在酵素の消費を抑えることができると考えられているのですが、本当なのでしょうか?

先ほどもお話したように酵素は、基本的に1つの酵素に1つの役割しかありません。

もし、食物の中に人間の消化酵素が入っているとしたら、それってスゴくないですか?

だって、野菜の中に人間の消化酵素が入っているんですよ!

植物は植物の酵素であって、動物の酵素には成り得ないのではないでしょうか?

酵素を摂って健康になる人もいます。

色々とお話してきましたが、酵素を摂ることを否定はしていません。

そうした食事を意識することで体調が整ったり、健康になる方もいらっしゃると思います。

でも、それは食物から摂った酵素の働きである可能性は非常に低いです。

理由はこれまでお話してきたとおりです。

仮に食物から摂った酵素が働いたとしても体内には絶対に入りませんし、働きません。

だって、酵素は最終的にアミノ酸に分解されて、吸収されちゃうので。

コラーゲンを食べてもお肌に行かないと同じで、体内に吸収されるときはアミノ酸になります。

『じゃー、なんで酵素をたくさん摂って体調良くなるのよ!』と言われる読者さんもいらっしゃると思うので、僕の考えをお話しすると

『酵素を摂ろう!』と意識した食生活によって、

  • アミノ酸の摂取量が増えて、身体に何らかの良い影響が出た
  • ビタミンやミネラルなどの摂取量が増えたことによって、身体に良い変化が起こった

この2つのどちらかである可能性が高いです。

つまり、普段の食生活で必要な栄養素が取れていなかった可能性が高いのです。

今回のまとめ

  • 酵素は栄養素ではなく、身体の化学反応の触媒です。
  • 酵素はタンパク質でできているので、タンパク質をしっかりと摂取していれば、不足することはない。
  • 食物の酵素で消化酵素が助かることはない。
  • 食物の酵素が体内に吸収されるときはアミノ酸になっているので、体内で使われることはない。
  • 酵素を意識した食事をすることで健康になる人がいるが、それは食物酵素の働きでない可能性大。

巷には、ファスティングとか、ジュースクレンジング、ジュースクレンズなど名前は様々ですが、そのなかには、酵素の効果を売りにしている商品も少なくありません。

最近見た商品では、粉末なのに生酵素という文言のものまでありました。(苦笑)

酵素は触媒なので、生とか無いんですけどね。。。

まあ、それは置いておいて。

食物から酵素を取ること自体は悪いことではありませんが、それが身体の中で起こす反応の多くは、みなさんが想像している働きではありません。

そうした酵素の働きは、食物から摂取してもほとんど期待できません。

それよりも日頃から、必要な栄養素をしっかりと摂取出来る生活を心がけることが重要です!

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この記事を書いた人

筋トレで理想の身体に導く肉体改造のプロ。
科学的根拠に裏付けられたトレーニング理論を論理的かつ分かりやすく説明する指導法には定評があり、多くのクライアントから指名されるパーソナルトレーナー。
これまでに手がけたクライアントは1,200名以上。196名のアスリート、俳優、女優、アーティストの肉体改造に携わる。
パーソナルトレーニング・講演活動に加え、トレーナーの育成や支援を行う傍ら、フィットネスとITデジタルやソーシャルメディアを融合させることで新しいトレーニングの形を創造している。
メディア出演,お仕事依頼 → info@lifetime-athlete.co.jp

     
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