飽和脂肪酸=動物性脂肪、不飽和脂肪酸=植物性脂肪だと思っていませんか?

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パーソナルトレーナー・ヘルスコーチをしている安藤ひろゆき(@PThiroando)です。

先日、こんな記事が出ました。
飽和脂肪酸は体に悪い、30年間の調査で裏付け 米研究(AFP=時事)

なぜかこの記事の紹介をしていたYahoo!ニュースはすでに削除されてしまいました。。。

この記事をすごく簡単にまとめると

12万人以上を対象とした最長で32年間に及ぶ研究の中で、飽和脂肪酸が早死リスクを上昇させることを確認した。

というものです。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸については、昔から議論があるのですが、今回の研究は不飽和脂肪酸が健康に大きな恩恵がある

いうことを実証したものになります。

ただ、この説明文に書かれていることは誤解を招くなと感じています。

その部分がこちら。

バター、ラード、赤身肉に含まれる飽和脂肪酸を、オリーブオイルや菜種油、大豆油などの植物性食品の不飽和脂肪酸に置き換えることは「健康上の大きな恩恵」となり、「食事に関する勧告の中心的メッセージとして掲げ続けるべき」効果をもたらす可能性があることも分かった。

これを読んだ多くの方は、動物に含まれている脂肪の多くが『飽和脂肪酸』で植物に含まれている脂肪の多くが『不飽和脂肪酸』だとイメージされているのではないでしょうか?

そのイメージは間違いです!

今日は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸についてお話したいと思います!

目次

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い

『飽和脂肪酸』と『不飽和脂肪酸』の違いを動物性脂肪と植物性脂肪と思われている方がいたら、それは間違った認識です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは、その名の通り、飽和しているか飽和していないかの違いです。

『えっ?なんの話し?』と思った読者さんもいらっしゃるかもしれませんが、

脂肪酸を分子で考えると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はこのようになります。

脂肪酸は、炭素(C)の数と、炭素と炭素の結びつきに「二重結合(図の=)」と呼ばれる分子構造があるかどうかで分類されています。

二重結合のないものは「飽和脂肪酸」二重結合があるものは「不飽和脂肪酸」と呼んでいます。

不飽和脂肪酸はさらに二重結合の数によって、1つのものを「一価不飽和脂肪酸」、2つ以上のものを「多価不飽和脂肪酸」と分類されています。

飽和と不飽和を分けているのは、分子構造が安定しているか(飽和)、安定していないか(不飽和)の違いです。

飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸はこのようなものを言います。

飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)とは、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有しない(水素で飽和されている)脂肪酸のことである。
飽和脂肪酸は同じ炭素数の不飽和脂肪酸に比べて、高い融点を示す。(Wikipediaより)

先程もお話したように二重結合のない飽和脂肪酸は化学的に安定していて、溶ける温度(融点)が高く室温では固体です。

不飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸はこのようなものを言います。

不飽和脂肪酸とは、1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸である。
不飽和炭素結合とは炭素分子鎖における炭素同士の不飽和結合、すなわち炭素二重結合または三重結合のことである。
天然に見られる不飽和脂肪酸は1つ以上の二重結合を有しており、脂肪中の飽和脂肪酸と置き換わることで、融点や流動性など脂肪の特性に変化を与えている。
また、いくつかの不飽和脂肪酸はプロスタグランジン類に代表されるオータコイドの生体内原料として特に重要である。(Wikipediaより)

先程もお話したように、二重結合がある不飽和脂肪酸は化学的に不安定で、低い温度でも溶け、室温では液体の状態のものが多いです。

動物性脂肪と植物性脂肪の違い

『飽和脂肪酸』と『不飽和脂肪酸』の違いがお分かり頂けましたか?

『飽和脂肪酸=動物性脂肪』『不飽和脂肪酸=植物性脂肪』では無いことがお分かり頂けたかと思います。

では、なぜ、『飽和脂肪酸=動物性脂肪』『不飽和脂肪酸=植物性脂肪』というイメージなのでしょうか?

それは、動物性脂肪の方が飽和脂肪酸が多く、室温で固体、植物性油脂が不飽和脂肪酸が多く、室温で液体の場合が多いのでそのイメージを持たれているのです。

ですが、動物性脂肪、植物性脂肪ともに飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が含まれています。

例えば、すき焼きの時に使う牛脂の脂肪酸の内訳は、

50%は飽和脂肪酸ですが、残り半分は不飽和脂肪酸です。


一方、植物性脂肪であるココナッツオイル(ヤシ油)の脂肪酸の内訳は、

86%が飽和脂肪酸です。

このように動物性だから、飽和脂肪酸が多い、植物性だから不飽和脂肪酸が多いとは限らないのです。
今回は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合の観点から見るとという話で、ココナッツオイルが悪い油ということではありません。

お魚の油には、EPAやDHAという不飽和脂肪酸が多いことも有名ですよね?

一概に動物性脂肪はダメ、植物性脂肪は良いとは言えないのです。

植物性脂肪にも10〜20%の飽和脂肪酸が入っているので、『植物性だから良い!』と思って、ガンガン油を使っていたら、動物性のものを食べるのと同じくらいの飽和脂肪酸を食べているかもしれません。

また、お菓子やインスタント食品にも飽和脂肪酸が沢山入っていますから、植物性のモノを食べているけど、間食にお菓子、インスタント食品を沢山食べているという人は、帳消しになっているかもしれません。。。

動物性脂肪=悪者はただのイメージです!

自分が使っている油の中身をしっかりと把握した上で上手に使いたいですね!

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この記事を書いた人

筋トレで理想の身体に導く肉体改造のプロ。
科学的根拠に裏付けられたトレーニング理論を論理的かつ分かりやすく説明する指導法には定評があり、多くのクライアントから指名されるパーソナルトレーナー。
これまでに手がけたクライアントは1,200名以上。196名のアスリート、俳優、女優、アーティストの肉体改造に携わる。
パーソナルトレーニング・講演活動に加え、トレーナーの育成や支援を行う傍ら、フィットネスとITデジタルやソーシャルメディアを融合させることで新しいトレーニングの形を創造している。
メディア出演,お仕事依頼 → info@lifetime-athlete.co.jp

     
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