日本でアスレティックトレーナーを目指す人に知ってほしい残酷な真実

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パーソナルトレーナー・ヘルスコーチをしている安藤ひろゆき(@PThiroando)です。

今日の内容は日本でアスレティックトレーナー(AT)を目指すあなたに知ってほしいことがあり、記事を書いています。

かなり残酷な真実を話すので、読んだあと少しイヤに気持ちになるかもしれない。

でも、あなたがスポーツ現場で活躍するアスレティックトレーナー(AT)を夢見て、努力を積み重ねているからこそ、今日の話を聞いてほしいと思っているんだ。

そもそもこの話をしようと思ったのは、プログレスという団体が主催している『トレーナー異資格交流会』に参加したこと。

この記事を読んだことがきっかけなんだ。

≫スパーズの一員としてNBA優勝に立ち会ったアスレティックトレーナーの『仕事論』

正直な感想を話すと「僕がアスレティックトレーナー(AT)を目指した約20年前と環境は変わっていない。。。」ということがよくわかった。

それと同時に、日本でスポーツ現場で活動するアスレティックトレーナー(AT)を続ける方法も分かったので、今回それも話しをしていくね!

今日はちょっと厳しいことを言うと思うけど、あなたがアスレティックトレーナー(AT)に本気でなりたい!と思っていると思うから、僕も真剣に話をしてきます!

目次

僕がアスレティックトレーナーからパーソナルトレーナーになった理由

今回の話を始める前に僕の話を少しだけさせてもらうね。

プロフィールにも書いているんだけど、僕は「トレーナーになりたい!」と思って大学に行って、運良く仙台育英高校ラグビー部で活動するチャンスをもらうことができました。

その当時の仙台育英高校ラグビー部の環境は、コーチ陣にしろ、トレーナー陣にしろ、実業団さながらの環境でした。

そんな中で、朝から晩まで働くATの仕事の大変さを学ばせてもらえたのは、本当にラッキーだったと思ってる。

今思えば、そんなラッキーな環境だったからこそ、僕はATを仕事にすることをスパッ!と諦められたのかもしれない。

ATを仕事にすることをスパッ!と諦めたのは、ある時、NATA公認アスレティックトレーナー(ATC)の資格を持つヘッドトレーナーの給与を聞いて、愕然としたからなんだ。

その時のことは今でも覚えている。

その時の僕は、

「辞書のように分厚い本で、医療従事者にも負けない知識をつけようと勉強して、朝から晩まで働いて、この給与は安すぎる。。。」

って思ってた。

それで大学3年生でATを仕事にすることを諦めて、そのときにたまたま知ったパーソナルトレーナーになることを決意したんだよね。

つまり、僕はATは生業に出来ないって感じて、仕事を変えたひとりなんだ。

元日本代表男子バスケットボールチームトレーナーの話を聞いて感じたこと

今回の『トレーナー異資格交流会』のスピーカーは元日本代表男子バスケットボールチームのトレーナーだった西村 航さん。

西村さんは、現在、西村スポーツマッサージ仙川院を開業されて、地域に密着したケアをしながら、選手個別のケアや、大学生チームのサポートにも力を入れて活動されています。

僕もこの前、施術してもらったんだけど、すごく良かった!

という話は置いておいて、

今回の交流会での話は、現在のスポーツ現場のATの話を色々とお聞き出来て、すごく勉強になった。

その中で僕が感じたことは、

今も日本ではアスレティックトレーナーは食べていけない

という残酷な真実。

これについては、質疑応答のところでも詳しくお話をお聞きした。

『日本ではアスレティックトレーナーは食べていけない』というと強烈だけど、もう少し正確に表現すると

日本ではアスレティックトレーナーだけでは食べていけない

というのが今も、日本のアスレティックトレーナー界にはあるってことがよくわかった。

スパーズの一員としてNBA優勝に立ち会ったアスレティックトレーナーの記事を読んで感じたこと

こういう時は引き寄せなのか、実は、西村さんのお話をお聞きする直前に、この記事を友人がシェアしているのを見て、すぐに読んだ。

スパーズの一員としてNBA優勝に立ち会ったアスレティックトレーナーの『仕事論』

学生時代バスケをしていたし、ATを目指したときに「NBAのトレーナーになりたい!」と思ったこともある僕としては、この記事はすごく興奮したし、すごく良いことをお話されていて、日本のATの可能性を感じる記事だった。

でも、後半の仕事の話は、経営コンサルタントとしての意見をいうと「すごく残念」なんだよね。。。

この記事を読んだときは、「ん?」と思っていただけなんだけど、その後に西村さんの話を聞いて、その「ん?」は「すごく残念」に変わったんだ。

なぜなら、キャリアがすごくあるATでも、活動を続けるには、あることをしないといけないことに気がついてしまったから。

日本でアスレティックトレーナーとして活動するために必要なこと

この2人のお話以外に、20年近くある大学の野球部でアスレティックトレーナーをされていた女性にも話をお聞きしたし、他のATCにもインタビューさせてもらった結果、わかったことがある。

日本でアスレティックトレーナーとして活動するために必要なことは、

安定した収入の柱を作ること

これ。

西村さんは、安定した収入の柱があったからこそ、大学、日本代表トレーナーの仕事ができたし、特に学生スポーツのATの場合は、その収入だけで生活していくことは難しいと言っていた。

これには様々な問題があるので、何かの機会に話そうと思うけど、現状一筋縄で解決するような問題ではないのは確か。

さっき話した女性アスレティックトレーナーも同じことを言っていた。

大学などの学生スポーツに携わる場合、続けられている人は、非常勤講師や常勤講師になっている場合がすごく多い。

その収入があるから、AT業務が出来ているという現状があるんだって。

そして、紹介した記事の内容も全く同じ。

記事の中に

日本ではパーソナルトレーナーや講師として生計を立てている人が多くいると感じています。

というところが出てくるけど、ほとんどのATCやATは、初めからパーソナルトレーナーや講師がしたくて、やっていたわけじゃないんだよね。

みんな、ATとして働きたかったけど、日本はアメリカのように求人情報もないし、仕事もない。

とはいえ、自分も生活をしていかないといけない。

そうなると、パーソナルトレーナーや講師という安定した収入を得られる仕事をしながら、その上で自分のやりたいATとしての活動をしようとしているだけなんだよね。

ここは記事だけ見るとあなたも誤解しそうだから、補足しておくね。

様々なAT、ATCの人にインタビューをさせてもらったり、ATとして活動して、その道を諦めてパーソナルトレーナーになった僕があなたに伝えられるのは、

スポーツ現場のAT業務いっぽんで生計を立てるのは難しいから、収入の柱をいくつか持つか、安定した収入の柱を確保することを考えながら、AT活動をして欲しい!

ってこと。

今(2018年3月現在)の日本でアスレティックトレーナーとして活動したいなら、この方法が1番再現性が高く、あなたのやりたいことを実現させられる方法だよ。

未来を変えようと動いてくれている人のこと忘れないで

こんな話をして、あなたはガッカリしたかもしれないね。

正直、僕も西村さんの話を聞いて、ガッカリしてた。

でも、西村さんに質問をさせてもらったり、交流会に参加しているATの方々の話を聞いて、『現状をなんとか変えよう!』と精一杯動いていたことを教えてもらった。

それでも現実はちょっとずつしか変わっていない。

彼らもすごく歯痒い思いをしながら、『でも、後輩により良い環境を提供したい!』という想いで動いてくれている。

そのことは忘れないで。

ここにも様々な問題があって、根はすごく深いと思ってる。

その1つが『契約書問題』

多くの学生スポーツのATが契約書がなく、口約束で仕事をしているんだって。

先日、僕も契約書の問題で痛い目を見たばかり。(またどうでもいい話)

そうなると、AT側は『いつ切られるかわからない。。。』という不安の中で仕事をすることになり、なかなか自分たちの意見を言えないっていう現状もあるんだろうなって感じた。

これはあくまで僕の推測だけどね。

とにかくアスレティックトレーナー業界は、パーソナルトレーナー・インストラクター業界と同じで、ビジネスの観点で見るとまだまだ未熟な業界だと改めて感じた。

その問題点が僕がATを目指した約20年前とほぼ変わっていないんだから、この環境を変えるには相当なエネルギーを持って、いろいろな人が取り組まないと難しいのかもしれない。

もし、あなたが『この現状を変えたい!』と思うなら、ぜひ既存の働き方にこだわらない方法を見つけて、アスレティックトレーナー界に新しい風を吹かせてほしい!

僕もパーソナルトレーナー業界に新しい風を吹かそうと考えて動いてる。

そこでうまくいった方法をATだけでなく、スポーツトレーナーと呼ばれる人たちとシェアして、価値ある商品やサービスを提供できる人が正当な評価・対価を得られるような業界にしていきたいとも思っている。

そのためには、僕もまだまだアクションが足りないし、やれることがたくさんあると、今回のことで気づくことができたんだ。

そんな学びをあなたにシェアしたくて、こんな話をさせてもらった。

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この記事を書いた人

筋トレで理想の身体に導く肉体改造のプロ。
科学的根拠に裏付けられたトレーニング理論を論理的かつ分かりやすく説明する指導法には定評があり、多くのクライアントから指名されるパーソナルトレーナー。
これまでに手がけたクライアントは1,200名以上。196名のアスリート、俳優、女優、アーティストの肉体改造に携わる。
パーソナルトレーニング・講演活動に加え、トレーナーの育成や支援を行う傍ら、フィットネスとITデジタルやソーシャルメディアを融合させることで新しいトレーニングの形を創造している。
メディア出演,お仕事依頼 → info@lifetime-athlete.co.jp

     
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